妊娠中毒症

症状

妊娠中毒症(にんしんちゅうどくしょう)は純粋妊娠中毒症と混合妊娠中毒症に分けられますが、子癇はこれらに共に痙攣発作が見られるものを言います。純粋妊娠中毒症は、浮腫及び高血圧、蛋白尿といった症状を妊娠に起因して引き起こします。混合妊娠中毒症では、高血圧、浮腫、そして蛋白尿といった症状を妊娠する以前から示していた場合を言い、更に妊娠によってこれらの症状が明らかに示されたものを指します。

原因

妊娠偶発合併症を除き、浮腫、高血圧、蛋白尿といった症状が妊婦に単独或いは複数見られるものを妊娠中毒症と言います。また、肝機能及び腎機能の障害、血液凝固に関わる障害、中枢神経系の異常などを示すこともあります。いずれも妊娠中に発症する疾患となります。妊娠中毒症は多臓器障害と言われていて、血管内皮細胞障害が胎盤循環異常に原因して発症するものと考えられています。そのため、この病気のハッキリとした原因は今も分かっておりません。

治療法

利尿薬に関しては肺水腫のみに利用されます。これは胎児の死亡が懸念されるためで、胎盤の血流を低下させることに起因します。鎮痛薬、鎮痙薬、降圧薬、線溶薬、抗凝固薬といった薬物療法は、母体に示された症状をそれ以上悪くさせないために使われるもので、胎盤の働きへの刺激や胎児への影響が考えられるため、その利用に注意が必要とされます。通常、安静と共にカロリーの摂取制限、各種栄養素の補給が基本になります。また高血圧や浮腫などの症状に対しては重度と考えられる際のみに食塩の摂取調整を行います。尚、子宮胎盤循環、腎臓の血流などは安静を心掛けることで改善されるとされます。その他、アスピリン投与によって妊娠中毒症を防ぐといったものがありますが、その作用は不安定とされます。