症状
高度な情操障害、自発性低下、感情平板化、意識混濁などを生じます。また抑制力が鈍ったり、人格低下、そして様々な情意面において障害をもたらします。意識混濁においてはその度合いも色々で、意識障害も複雑になります。一過性のものと慢性のものがあり、前者は治癒しやすい傾向にあります。一方後者は、情意障害、知能低下といった症状を呈し、治癒することはあまり見られません。尚、一過性のものは意識障害を主軸とした症状を呈します。
原因
脳そのものの器質的な変調が器質性精神病(きしつせいせいしんびょう)を引き起こす原因となります。肝脳疾患、錐体外路系疾患、脳挫傷、慢性硬膜下血腫、日本脳炎、脳腫瘍などが該当します。症状精神病(しょうじょうせいしんびょう)は脳を除く身体病に起因するもので、器質性精神病とは異なります。
治療法
副腎皮質ホルモン薬、抗生物質、催眠薬、鎮痛薬、鎮静薬、抗痙攣薬、輸血、補液などが出現した症状や基礎疾患に対して用いられます。意識障害の措置と身体面の治療は急性期において重要です。また慢性期に移行しても症状に合った薬物療法が実施されます。回復せず定着した症状へは通常、対症療法が行われます。尚、症状が固定して回復の見込みがないと判断されるものでも、回復することはあります。これには若年層の患者などが該当し、根気良くリハビリを継続することで思った以上に回復するものです。