肺性心

症状

肺性心(はいせいしん)の初期段階では呼吸困難、痰といった症状を示します。またチアノーゼも少ないケースで見られます。更に高度になると眩暈や肝臓の腫れ、或は痛み、失神といった症状を示します。

原因

肺内部において血行障害が見られる場合、肺及び気管支疾患の増悪に起因するものがあります。肺性心はこういった極端な肺機能低下に随伴して発症する心臓病を言います。ただし、基礎疾患で心臓病が認められ、これによって肺疾患を引き起こすケースは該当しません。気管支喘息や気管支炎など、肺及び肺胞において空気の通りを妨害する病気、限度を超えた肥満、胸郭変形など胸郭運動を妨害する病気原発性肺高血圧症や肺血栓塞栓症など肺血管に異常をきたす病気などが肺性心を引き起こします。

治療法

慢性代償期では元となる病気の治療を中心にします。症状を悪化させる呼吸筋の酷使や気道感染など、その誘発因子を極力避けるようにします。また過度な労働を避け、食生活では水分及び塩分の摂取制限を実施します。更に去痰薬やキサンチン系の薬を中心とし、気道拡張を意図して服用します。ステロイドは気管支壁におけるれん縮及び浮腫に適用し、抗生物質は感染症に対して適用します。極端な低酸素血症を示す場合は、在宅酸素療法が実施されます。右心不全期においては去痰薬、抗生物質、キサンチン誘導体、気管支拡張薬などが換気障害型肺性心に用いられます。一方肺血管型肺性心ではエポプロステノールが試みられていますが、急性増悪期には使えません。そのためカテコールアミンなどで回復させ、微量から徐々に増やして用います。