肝静脈閉塞性疾患

症状

腹部膨満感、それに伴う腹痛、そして腹水などを急性増悪期に見られます。門脈圧亢進症は慢性期において出現させ、また合併症として食道静脈瘤が認められます。血清総ビリルビンが高値の場合、死に至ることもあり、見通しも悪化します。その他、軽い黄疸が見られることもあります。

原因

抗生物質、アザチオプリンといった免疫抑制薬、シクロホスファミド及びブスルファンといった抗腫瘍薬、骨髄移植、放射線照射、砒素などが肝静脈閉塞性疾患(かんじょうみゃくへいそくせいしっかん)を引き起こす原因となります。更に漢方薬若しくは生薬によって発症することもあると示唆されています。肝臓のうっ血、壊死、出血などが広がり、肝臓中心静脈や小葉下肝静脈枝における非血栓性閉塞若しくは狭小化を示します。また合併症として骨髄移植後に発症することもあります。

治療法

対症療法が中心であり、抗腫瘍薬や砒素、免疫抑制薬など、本症を引き起こした要因となる薬の利用を停止します。また放射線照射などもそれを停止します。原因の程度によって違いを生じますが、軽いものでは適正範囲に回復します。しかし急性期の内、肝不全を引き起こすケースもあり死に至ることもあります。慢性化した場合には本疾患を引き起こした要因を除去しても、繊維化は解消されないケースが多いとされます。このため、門脈圧亢進症も軽快しないことが多いとされます。