A型急性肝炎

症状

吐き気やそれに伴う嘔吐、全身倦怠感、食欲不振、また関節痛や発熱といった風邪様の症状を出現させます。一ヶ月ほどの潜伏期間を経て発症しますが、感染してから凡そ十日程度で黄疸が出現します。カキを起因とするものでは冬に発症率が高く、A型急性肝炎(えーがたきゅうせいかんえん)は他のウイルス性肝炎に比較すると熱の上昇が特徴的になっています。

原因

牡蠣(かき)の生食が非常に多いとされますが、他の貝類や井戸水などもA型急性肝炎を引き起こす原因となります。ウイルスは経口によっても感染し、体内に入ると肝臓に侵入して増殖します。潜伏期間は凡そ一ヶ月程度と言われており、この期間を経過した後発症します。ウイルスは肝臓が分泌する胆汁にも入り込むため、ここから腸を介して便中に排泄されます。このため、感染を拡大させる恐れがあり、更に河川や井戸水などを飲用している地方では肝炎ウイルスの大流行を引き起こす可能性があります。

治療法

劇症化することもありますが、慢性化には至りません。治癒するまでに半年以上かかることもありますが、普通は一ヵ月半程度で改善します。本疾患では特に治療を行うことはありません。基本的には臥床して安静を心掛けます。また食欲不振に対しては点滴によって必要な栄養素を補給します。回復期には高蛋白食にし、これは肝臓の回復を高めるために行われます。