腺筋腫症

症状

特にコレといった症状を示しませんが、吐き気や上腹部違和感、腹部右上に鈍痛を訴えることもあります。ただし、胆嚢炎や胆石を伴った場合、熱の上昇や腹痛を示すこともあります。こういったケースでは肝機能に軽い障害が示されたり、赤沈亢進、CRP上昇、白血球増多を呈します。検査では内視鏡的逆行性胆道造影や経静脈性胆嚢X腺造影、そして体腔及び体外式による超音波検査などが実施され診断されます。胆嚢壁の瀰漫性且つ局所性の肥厚、そして肥厚壁内において小嚢胞像が確認され、これに加えてコメット様エコーにおいて壁内結石が描かれれば確定されます。

原因

壁内RAS増殖、筋層肥厚、粘膜過形成を生じる疾患であり、病変が胆嚢底部にのみ見られる半球状隆起を示すもの、病変が体部にのみ見られるもの、胆嚢壁が肥厚且つ瀰漫性に通常の数倍を示すものに分けられます。腺筋腫症(せんきんしゅしょう)は女性より男性に多く、中年層の発症率が高くなっています。

治療法

胆嚢摘出術が実施されます。しかし本疾患では経過観察が推奨されています。癌の疑いのあるもの、胆石を合併した場合、脂肪摂取により上腹部痛を示すケースでは胆嚢摘出術の適応が推奨されています。腺筋腫症はもともと良性疾患である上に悪性に病変するケースはほとんどありません。このため、胆嚢摘出術を行うまでもないとされます。尚、腹腔鏡下胆嚢摘出術が近年実施されています。