症状
検査で偶然見つかる症例が多いことから、特にこれといった症状を示しません。しかし発熱、腹痛、黄疸といった症状は総胆管へ結石が移動することで生じます。また結石が肝内胆管に停留するケースにおいて熱の上昇が見られることもあります。尚、肝内胆石症(かんないたんせきしょう)は胆石が肝内胆管にて認められます。
原因
胆管における拡張及び狭窄といった形態異常が認められ感染及び胆汁うっ滞が推測されます。これはビリルビンカルシウム石に由来します。肝外胆管に認めるビリルビンカルシウム石に比して著明なコレステロール含有量の高さが認められることから代謝に関わる因子に影響を受けているものと予測されます。肝内胆石症は胆石が肝内胆管に発生する疾患であり、その発症に男女差はありません。尚、肝内ビリルビンカルシウム石に関しては肝萎縮を随伴させるケースが多くなっています。反対にコレステロール石では肝萎縮を伴うケースは少なく、更に胆管における拡張や狭窄といった形態異常を示すことも少なくなっています。
治療法
経皮胆道鏡下切石術が多くの症例で適用されます。また難しい肝内胆石症例や肝萎縮を随伴させるケースでは肝区域切除術が実施されることもあります。本疾患は原因を取り除く治療、結石除去、合併に起因する病変の治療が中心となります。診断はCTやX線、腹部の超音波検査にて行われ、結石の有無、胆管における狭窄や拡張、壁の肥厚などが判断材料となります。