薬剤性膵障害

症状

急性若しくは慢性膵炎のうち薬剤の利用によって引き起こされる疾患を言います。多くは病気の治療目的で投与したものが大半を占めていますが、自身の生命を脅かす目的で利用されるケースや事故などによって引き起こされる場合もあります。薬剤性膵障害(やくざいせいすいしょうがい)では個人の特異体質に起因するものと薬物の毒性に起因するものがあり、前者は使用量に関係なく引き起こされます。後者は特異体質は関係なく薬物の使用量によって引き起こされます。基礎疾患がある場合、膵炎が薬剤によって引き起こされたことを証明するのは難しいとされます。尚、膵炎を引き起こすのに影響を与える薬物としての分類は、膵炎を薬剤利用中に出現させ、利用停止すると改善が見られ、再び利用すると膵炎を出現させる場合、上記のうち、複数要因を構成する場合、膵炎と薬剤の間に不確かな関与が認められる場合となります。

原因

本疾患を引き起こす薬剤ではサイアザイド系利尿薬や抗痙攣薬であるカルバマゼピンやバルプロ酸ナトリウム、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、シクロスポリンやアザチオプリンといった免疫抑制薬、コルチコステロイドなどステロイドホルモンなどが報告されています。その他、インドメタシン、ジクロフェナック、アスピリン、スリンダク、ケトプロフェン、ナプロキセン、アセトアミノフェンといった非ステロイド系抗炎症薬や鎮痛薬なども膵炎を引き起こすと考えられています。

治療法

本疾患の可能性が見出されたケースでは、疑いが持たれる薬剤の利用を停止します。治療は他の膵炎に準じて行われます。