バーター症候群

症状

バーター症候群(ばーたーしょうこうぐん)は小児において発育不全、口渇、多尿、筋力低下などが見られます。ナトリウム及び塩化物が尿中へ排泄されてしまうため軽い脱水症状を引き起こします。その他、精神発達の遅滞も見られます。尚、下痢や慢性的な嘔吐、瀉下薬によっても似たような症状を示すケースもあります。

原因

遺伝が原因とされており、ナトリウム、カリウム、塩化物を過剰に排泄し、電解質異常を惹起します。診断基準は、高アルドステロン血症、アンジオテンシンⅡへの昇圧反応の低下、腎傍糸球体の肥大化及び過形成、血漿レニン活性が高まること、浮腫並びに高血圧が見られないこと、代謝性アルカローシス及び低カリウム血症が見られることとなります。尚、この病気は「Bartter」によって1962年に報告された症候群であり、代謝性アルカローシス及び低カリウム血症で見つかるケースが多いと言われています。

治療法

スピロノラクトン、インドメタシン、カリウム製剤を単体或いは組み合わせて治療に用いられます。ただし、根治できる治療法は現在のところ見つかっていません。低カリウム血症を正常化させるため、これらの薬物療法が中心となります。その他、尿中へカリウムを排泄してしまうのを低下させるため、プロプラノロール、カプトプリル、トリアムテレン、アミロライドなどの薬剤が用いられることもあります。不足なく水分を補給することが必要とされています。尚、インドメタシンは、非ステロイド性抗炎症薬のことで、スピロノラクトンはアルドステロンの作用を妨害する働きを有する薬剤です。