腎血管性高血圧

症状

腎血管性高血圧(じんけっかんせいこうけつあつ)では目の網膜内の血管において症状を示すこともありますが、おおむね大動脈に炎症性の症状を現します。血圧降下薬を利用しているにも関わらず血圧低下が見られず、上昇してくるような場合、又は通常の治療を行っているにも関わらず血圧の低下が見られないケースにおいてはこの疾患の可能性が高いとされます。一般には、腹部血管雑音や高血圧といった症状を呈することが多いとされます。血液化学検査や通常の検尿では、特に異常を示さないケースが多いと言われています。悪化した事例では、軽い赤血球尿及び蛋白尿を示すこともあります。

原因

大動脈より流れていく腎臓の血管が狭窄することに起因する高血圧が原因となります。高血圧は虚血が胃において発生し、レニン・アンジオテンシン系が活性化されることに起因します。腎動脈の両側及び片側、並びにその分岐において狭窄を生じることに由来します。動脈炎や粥状硬化症、線維筋性異形成といった症状は腎動脈狭窄発症の原因となっています。

治療法

線維筋性異形成において経皮的腎血管拡張術が有効とされています。自家腎移植、腎摘術、腎血管再建術といった方法はこの経皮的腎血管拡張術を行えない場合に用いられます。またAⅡ受容体拮抗薬及びACE阻害薬などやβ遮断薬とカルシウム拮抗薬とを組み合わせて用いられます。ただし、上記のうちAⅡ受容体拮抗薬とACE阻害薬については急激な血圧降下を示すこともあり、高血圧を患っている方への利用には慎重を要します。ケースによっては腎不全を引き起こす可能性が指摘されています。尚、ステントの挿入や血管を広げるために風船を膨らませる治療法も多く利用されています。