症状
皮膚結核(ひふけっかく)は、肌に結核菌が寄生して発症するタイプと或る固体が結核菌に感作されており、これによって血行性に僅かな結核菌若しくはその毒素が肌にくっついて起こる病態とに分類されます。前者は真正皮膚結核といい、後者は結核疹と呼ばれるもので、アレルギー性結核病変を招きます。真性のものは結核菌が肌の病巣で繁殖しており、簡単に分離することが可能です。患部は限られた部分で見られ、片方に生じやすくなっています。潰瘍性粟粒結核、尋常性狼瘡、皮膚疣状結核、皮膚腺病が該当します。結核疹は患部において結核菌を見つけられにくい性質があり、血行性に菌並びに分解産物が撒き散らされて発疹を招きます。壊疽性丘疹状結核疹、腺病性苔癬、結節性結核性静脈炎、バザン硬結性紅斑などがこれにあたります。
原因
肌の疾患が結核菌によるもので、これらをまとめて皮膚結核と呼んでいます。ウシ型とヒト型の菌に分類され、多くは後者によるものです。結核菌は乾燥や熱に耐性があると考えられています。人間の体の中に入り込むとまずマクロファージに貪食されます。これによってIL12などが放出され、Th1型リンパ球が増えます。その後、サイトカインであるTNF-αやインターフェロンγが作られます。最終的に結核結節である肉芽腫を形成しながら結核菌を滅ぼします。
治療法
イソニアジドやリファンピシン、そしてストレプトマイシンといった抗結核薬が用いられます。一般には、通常の結核治療に準じますが、栄養管理にも注意を払います。結核疹においてはその菌の検出に従来困難を極めていましたが、最近ではPCR-DNA診断の進化によって当該結核菌の検出も見られるようになりました。