症状
掻痒感が妊娠中期から末期にかけて生じます。その後、黄疸が出現します。また便が灰白色などに変色することがあります。これは胆汁うっ滞に起因します。その他、夜になると掻痒感は強まることが多いとされます。
原因
胆汁うっ滞が妊娠などを引き金に発生させる遺伝性やビリルビン及び胆汁酸と女性ホルモンとの処理過程において発生する競合などが原因として推測されています。女性ホルモンは妊娠を契機に増えます。主な病変は胆汁うっ滞であり、肝細胞壊死、炎症細胞浸潤などは見られません。また胆汁うっ滞を妊娠を防ぐ薬の利用にて発症した場合、大半は過去に本疾患或は妊娠掻痒症を患っています。妊娠の際、中でも後期において掻痒感から続発して黄疸が示されます。出産してから一ヶ月未満で、大抵、掻痒感に改善が見られます。しかしその後の妊娠にて再発しやすい傾向があります。ただしアジアではあまり見られません。ウイルス性肝炎も妊娠中に黄疸を発生させますが、本疾患はこれに次いで黄疸の発症率が高くなっています。尚、妊娠掻痒症では黄疸を生じませんが、妊娠性反復性肝内胆汁うっ滞症(にんしんせいはんぷくせいかんないたんじゅううったいしょう)の亜型と位置づけされています。
治療法
掻痒感に対しては抗ヒスタミン薬などが用いられます。また出血を防ぐことを意図してビタミンKが投与されることもあります。本疾患は見通しも佳良であることから、通常、特に治療を必要としません。