巣状糸球体硬化症

症状

巣状糸球体硬化症(そうじょうしきゅうたいこうかしょう)は一次性と二次性に分けられ、一次性では突如として発症し、全身において浮腫などが見られます。また重度の高脂血症や過剰な尿蛋白の排出も示されます。二次性では元となる疾患に起因し、そのほとんどはネフローゼを示さないとされます。

原因

糸球体上皮障害が原因との指摘がなされていますが、高脂血症、糸球体肥大、過剰濾過なども原因となります。尚、糸球体肥大は過剰濾過などに起因して肥大化されます。このため、毛細管壁に障害を与え、硬化を惹起するとされます。過剰濾過は糸球体において血流量が増え、血圧が高まることに起因します。これは溶質が増えたりネフロンが減ってしまうことに由来します。

治療法

抗凝固薬、免疫抑制薬、脂質代謝改善薬、ステロイドパルス療法などが行われます。抗凝固薬では、ワーファリン及びへパリンといった種類があり、こういった抗凝固療法と共に抗血小板薬と組み合わせて利用することで症状の進行に対してその有効性があると考えられています。免疫抑制薬では副作用を示すもののステロイドパルス療法を効果的に発揮させる働きがあります。その効果を継続させ再発を予防するために、ステロイドと免疫抑制薬を組み合わせて利用する必要性があります。種類ではシクロスポリン及びシクロホスファミドといったものがあり、シクロスポリンには、血管障害及び尿細管異常などの副作用を示します。一方シクロホスファミドでは、白血球数の低下、悪性腫瘍発生率の上昇、肝臓障害、生殖機能の低下といった副作用などがあげられます。脂質代謝改善薬にはLDL吸着療法なども加えられ、これらは高脂血症を予防するために用いられています。高脂血症は巣状糸球体硬化症の発症の原因となりえます。ステロイドパルス療法は、メチルプレドニゾロンの利用によって行われ、長期に渡っての見通しに有効性が示唆されています。ただし、ステロイドはその利用を継続することで使用量が増える傾向にあります。このため、副作用を出現させる確率も上昇させてしまうことになります。尚、巣状糸球体硬化症は難治性ネフローゼ症候群のことを指しています。