急速進行性糸球体腎炎症候群

症状

急速進行性糸球体腎炎症候群(きゅうそくしんこうせいしきゅうたいじんえんしょうこうぐん)では微熱、倦怠感、食欲不振、浮腫、血尿、乏尿といった症状を示します。高窒素血症を現し、腎機能低下を引き起こします。進行性の急性腎不全となります。尿中に含まれるタンパク量は増加しますが、尿量そのものは少なくなっていきます。

原因

免疫複合体、抗基底膜抗体、MPO-ANCAなどが原因となります。急速に腎不全が悪化することが原因で、血管の炎症に起因して引き起こされるケースが多いとされます。半月体形成を併発するケースが多く、膜性増殖性糸球体腎炎、管内性増殖性糸球体腎炎、メサンギウム増殖性糸球体腎炎といったものが認められます。

治療法

初期段階の症状に対しては血漿交換及びメチルプレドニゾロンを使ったパルス療法が行われます。また抗凝固薬、副腎皮質ステロイド、抗血小板薬などを組み合わせて治療が行われます。なるべく早く血液透析を行うケースでは、腎不全の悪化が考えられます。免疫抑制療法の場合、その作用が強いため、合併症として感染症などを引き起こす可能性が指摘されています。このため、お年寄りなどに適用するには注意が必要とされています。尚、抗凝固薬ではワーファリンやヘパリン、抗血小板薬ではジピリダモールといったものがあります。また、入院時には安静を心がけると共にタンパク及び食塩の摂取をコントロールする食事療法が行われます。自然に改善することはなく、多くは数週間程度で末期不全に至ります。