尿失禁

症状

尿が自分の意思とは関係なく体外へ露出してしまうことを尿失禁(にょうしっきん)と言います。膀胱内圧測定や静脈性尿路造形、尿道内圧測定によって異常のある場所を探します。通常、先天奇形(せんてんきけい)か術後及び外傷に起因するものかが推測されます。後者の場合では更に、神経系に発するものか尿道括約筋の障害によるものかが思案されます。

原因

反射性尿失禁、溢流性尿失禁、尿道括約筋の障害、切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁に分けられ、反射性尿失禁は排尿反射に対して中枢神経がうまく作用しないために引き起こされるもので、脊髄の異常が原因となります。溢流性尿失禁は、慢性尿閉の一つで尿が膀胱に蓄積され過ぎて溢れることが原因となります。これは神経因性膀胱及び前立腺肥大症に由来するものです。尿道括約筋の障害では、何らかの原因で尿道括約筋による制御が正常に作用しないことが原因となります。切迫性尿失禁では神経因性膀胱、急性膀胱炎、急性後部尿道炎などに起因します。腹圧性尿失禁は、くしゃみや咳、笑った際などに引き起こされるもので、腹圧が発生した時に現れます。

治療法

まず原因となっている病気を特定する必要があり、これは疾患によって治療法が異なってくるためです。もととなる病気によって、薬物療法や手術療法を行うケースもあります。尚、若年層では急性のものが多く、こういったケースではほとんど自然治癒すると言われています。ただし、高齢者においては自然治癒は難しく、治療によって改善させます。