症状
黄疸が代表的であり、それと共に尿及び便の色に変色が認められます。また皮膚掻痒感を出現させます。これは胆汁によって作り出された成分が原因であり、皮膚に痒みを発生させます。更に脂溶性ビタミンであるビタミンDやビタミンK、ミネラルであるカルシウムの吸収阻害が引き起こされますが、これは腸内における胆汁不足に起因します。このことから骨の生育に支障をきたし、出血傾向を招きます。その他、発熱や吐き気、それに伴う嘔吐、腹痛並びに食欲不振などが示されることもあります。
原因
胆汁の流れが低下若しくは完全に遮断される病態を胆汁うっ滞(たんじゅううったい)と言います。これは肝臓及び十二指腸のどちらかに引き起こされるものであり、例え胆汁の流れが完全に遮られていても肝臓はせっせとビリルビンを作り続けます。肝臓そのものに障害を発生するものでは、薬物やアルコール、妊娠中におけるホルモン異常、原発性胆汁性肝硬変、肝炎などがあり、これらはいずれも本症を引き起こす原因となります。また肝臓を除く原因では胆管狭窄や膵炎、膵臓癌、胆管癌、胆管内部に生じた結石などがあります。
治療法
まず原因を究明することが重要であり、薬剤が原因であればその利用を停止します。胆管閉塞を原因とする場合は内視鏡的治療や手術による治療方法がとられます。アルコールが原因であれば、その摂取を中止します。その他、皮膚の掻痒感に対してはコレスチラミンなどの薬物療法が行われます。