細菌性肝膿瘍

症状

全身倦怠感や食欲不振、高熱、肝腫大、右上腹部痛などが出現し、横隔膜に膿瘍が触れるケースでは右胸水、胸痛を示します。また黄疸は胆道性肝膿瘍において見られます。急性増悪する多発性肝膿瘍は出現する症状も高度となります。一方、限局性肝膿瘍においてはその発症もゆるやかであり、検査と共に出現する症状も軽いものとなるケースが多いとされます。

原因

細菌感染が肝臓において生じることが細菌性肝膿瘍(さいきんせいかんのうよう)を引き起こす原因であって、これによって膿瘍が発生します。見通しや治療は原因によって影響を受けません。発生個所から肝内膿瘍と肝皮膜下膿瘍に分けられたり、内部構造から多房性と単房性に分類されます。一般には多発性肝膿瘍と限局性肝膿瘍に分類され、後者は治療の効果も得られやすいことから見通しも良いとされます。一方、多発性肝膿瘍では見通しも悪く、難治性に移行するケースが多いとされます。その他、経動脈性、連続性、経門脈性、経胆道性、そしてこれら以外の感染経路に分けられます。

治療法

化学療法によって原因菌に反応性を有する抗生物質が用いられます。特定できないケースでは広域抗生物質が適用されます。その他、胆道ドレナージ、経皮的膿瘍ドレナージ、そして穿刺不能のケースでは手術開腹下においてドレナージを実行することもあります。