症状
前類洞性門脈圧亢進症を出現させます。軽い脾機能亢進症と共に脾腫が見られることもあります。この脾腫はうっ血に起因するものです。また合併症では高い確率で食道胃静脈瘤を見ます。門脈血栓症(もんみゃくけっせんしょう)を肝硬変に続いて発症したケース以外、肝臓の機能は適正範囲内に保たれており、仮に障害が見られても軽度とされます。
原因
成人の場合、慢性膵炎、脾臓摘出、肝臓移植、胆道系における炎症、腹部外科手術後、凝固障害を随伴する血液疾患などが原因となります。新生児では臍静脈炎、幼児では腹膜炎、脱水、虫垂炎、手術などが門脈血栓症を引き起こす要因になります。その他、妊娠や腹部外傷後、食道静脈瘤の治療法である内視鏡的硬化療法後に発症するとも言われています。本疾患はこれらにって、血栓を肝内外においける門脈にて発生させた病態を指します。
治療法
外科的シャント術や内視鏡的硬化療法などは門脈圧亢進症に適用されます。ただし、広範囲に渡る血栓が見られる場合、見通しは悪化します。一方、肝内における門脈血行が維持されている場合、見通しも長期に渡って割合良好とされます。尚、血栓の悪化が認められ、高度の症状が出現したケースでは血栓摘除術が視野に置かれます。その他、ウロキナーゼなどを門脈へ直接投与する血栓溶解療法は、急性増悪期に役立つとされています。