憩室炎

症状

憩室炎(けいしつえん)では発熱と共に下腹部、それも左部において圧痛が感じられます。ただし、結腸癌や卵巣癌、腫瘍、虫垂炎、子宮筋腫などは本症と似たような症状を示すため、その鑑別が必要です。その他、合併症では憩室壁損壊、腹膜炎、膀胱や子宮などの炎症があげられます。

原因

炎症が本症を引き起こす原因であり、憩室症が見られる人に発症します。この疾患は、胃や小腸などでも引き起こしますが、最も多く見られる箇所は直腸上側のS状結腸になります。発症年齢は幅広いものとなっていますが、最も多いとされるのは中年以降と言われています。いずれの時期に発症しても重度に悪化することがあります。更に高齢者では免疫機能が低下している上にコルチコステロイド剤などの免疫抑制剤が使われていると非常に感染症を引き起こしやすくなっています。尚、本症は袋状の憩室が大腸などに多発する憩室症に炎症が引き起こされた病態を言います。この憩室が発生する原因はハッキリ分かっていませんが、大きさは数センチ程度から十センチ以上に及ぶものまで存在し、肥大化したものは巨大憩室と言います。

治療法

大腸に発生したものの内、重症であれば点滴による栄養補給と抗生物質の投与による治療方法が採用されます。また出血があれば患部を切除しますが、その発生箇所が不明瞭な時は結腸亜全摘術によって広範囲を切除することになります。更に腹腔感染症を伴う腸の破裂では、その破裂箇所を切除し、加えて人工的に排泄口をつくります。一定期間経過後、それをを閉じるために腸と腸を縫合します。尚、軽症であれば安静を心がけ、抗生物質の経口投与による治療法が行われます。。食事は柔らかいものが選択されますが、経口からの摂取が可能であり、多くはこれで治癒方向に向かいます。