食道良性狭窄

症状

食道良性狭窄(しょくどうりょうせいきょうさく)は喉や胸部、腹部において強い灼熱感を生じ、また発熱、嚥下痛など食道において食物がつかえるになります。その他、呼吸困難やショック症状、吐血といった症状を悪化に伴って呈することもあります。その後、無症状の期間を経過して瘢痕形成に至ります。検査はX線にて行われ、その診断も容易です。

原因

周りの細胞や器官から食道へ圧力が加わる大動脈分岐異常や結核に起因すもの、瘢痕性狭窄など炎症が治ってから生じるものなどが原因となります。いずれも後天性に由来するものですが、先天的な食道の異常から狭窄を生じるものもあります。腐食性食道炎では強アルカリと強酸によるものがあり、日本では酸に起因するものが多いとされます。この疾患は食道が腐食することで瘢痕を形成し、これによって狭窄を食道に生じます。瘢痕性食道狭窄は食道潰瘍、薬物性食道炎、逆流性食道炎、ベーチェット病、クローン病、食道真菌症、放射線治療後、プラマーヴィンソン症候群などに起因します。

治療法

瘢痕箇所を手術によって摘除しますが、これは食道良性狭窄の重症例が適応となります。腐食性食道狭窄においては、その中和を促すため胃の洗浄を行います。また食物を口から摂取せず、静脈より栄養を補給します。薬物性食道炎においては粘膜を守る薬剤や制酸薬などが利用されます。また狭窄箇所の切除をレーザーやバルーンカテーテルを利用した治療方法を行います。