症状

虚血性腸炎（きょけつせいちょうえん）の急性期では腹痛が突如として生じますが、高齢者に多くなっています。また吐き気やそれに伴う嘔吐なども見られます。更に下血と共にテネスムスなども引き起こします。下血は大半において示される症状ですが、これに起因する貧血症状はあまり見られません。尚、急性期では潰瘍や壊死、粘膜出血、粘膜組織下における浮腫などが示されます。また類線維素血栓及び小血管における類線維素変性などが見られます。慢性期では新生血管が多い肉芽組織と線維化で潰瘍底は構成されています。

原因

腸管側では腸粘膜血流量を低下させることが原因となります。これは内圧上昇が腸痙攣及び便秘などによって引き起こされるためです。一方血管側では血液の粘稠比率が上がること、血管れん縮、動脈硬化などが原因となっています。本症は小腸及び大腸の限局性虚血病変であり、腸管壁内微小循環異常や腸間膜動脈における血流低下などが原因となります。

治療法

手術は狭窄型において通過障害が認められるケースにて適用されます。また緩下薬の投与といった治療方法も採用されます。一時的なケースでは食事によらず補液による治療法で経過観察とされます。術後の見通しは良いとされていますが、合併症などにも左右されます。尚、虚血性腸炎は限局性腸虚血（げんきょくせいちょうきょけつ）とも呼ばれます。