症状
腸管アンギナ(ちょうかんあんぎな)では上腹部痛が食事によって引き起こされます。また便通障害や体重減少なども示します。こういった症状が継続することで食事にも悪影響を与え、合併症として小腸における吸収不全を引き起こします。こうなると更に拍車をかけて栄養状態が悪化していくことになります。診断は腹部の血管造影にて調べます。尚、胆のう炎、虫垂炎、吸収不良症候群、膵癌、消化性潰瘍、慢性膵炎、腸結核などとの識別が必要とされています。
原因
腸管アンギナの一つの原因としては腹腔動脈起始部圧迫症候群などがあり、横隔膜の正中弓状靭帯に起因して圧迫を受けることで生じます。これは適正な位置より腹腔動脈の起始部が上部または下部に存在しているためです。また閉塞及び狭窄が上腸間膜動脈などにおいて緩やかに進行するケースにおいて、普通では虚血性症状を示さず食事などに起因して腹痛を発生させます。これは消化吸収などによる運動が食事によって活性化されるためです。尚、上腸間膜動脈、下腸管膜動脈、腹腔動脈で一つだけが閉塞及び狭窄を引き起こしてもあまり症状を示しません。これは側副血行が存在するためで、普通はこれらの動脈のうち二つ以上が閉塞及び狭窄を惹起したケースで本症が生じます。
治療法
通常、血行再建手術であるバイパス移植や血栓内膜摘除術などの治療方法がとられます。血管拡張薬及び鎮痛薬といった治療法には有効性があまり認められません。また食物を少しずつ食べるのも特に効果がないと言われています。