症状
持続性の腹部痛が周年見られます。しかし、明確な症状を示さず、消化不良も見られ下痢傾向にあります。膵管内圧が上昇するため、みぞおちを主軸とした左右に痛みを生じ、これが背部や肩等に放散することもあります。また吐き気や食欲減退、腹部の張り、黄疸、体重減少を見ることもあります。更に激痛を出現させることもありますが、これは本疾患が基礎にあるため、急性膵炎様症状を示します。
原因
アルコールの過剰摂取が原因となります。女性より男性に多く見られ、著明な性差が認められます。その他、遺伝に起因するものや高脂血症、膵管胆道合流異常、膵管非癒合、副甲状腺機能亢進症なども原因となります。慢性膵炎(まんせいすいえん)は膵臓内部において慢性化した肉芽組織や細胞浸潤、不規則性の線維化、実質脱落などの変化を出現させ、これによって膵臓の内分泌作用及び外分泌作用を阻害する病態です。症状を示さないケースもありますが、腹部圧痛若しくは腹痛などを随伴させます。また炭酸カルシウムを主軸とする結石を主膵管及び膵管分岐部に発生させる症例は膵石症若しくは慢性石灰化膵炎と呼ばれるものです。
治療法
消化酵素薬の投与による治療の他、アルコールと脂肪分の摂取制限を設けます。また疲労を生じないようにします。痛みを除去するには、膵管と腸を結合する手術や膵頭部を切除する治療法がとられることもあります。尚、急性増悪の際の治療は急性膵炎に準じます。