デュビンジョンソン症候群

症状

黄疸の他、全身倦怠感を呈する症例も見られます。しかしデュビンジョンソン症候群(でゅびんじょんそんしょうこうぐん)ではその多くが特に症状を示しません。ただし、妊娠を防ぐ薬の利用や妊娠に起因して著明な黄疸を出現させることもあります。また高直接ビリルビン血症を招きますが、その値も一定範囲以上になることはないとされます。

原因

MRP2の輸送活性の欠損が認められ、これは遺伝子変異によるものです。高直接ビリルビン血症は軽度から中程度であり、他に肝細胞内褐色顆粒、黒色肝などを示します。常染色体劣性遺伝する疾患であり、グルタチオン抱合型BSPの排出に支障が見られ、また抱合型ビリルビンにおいて肝細胞より毛細胆管への排出にも支障をきたします。しかし肝臓において他の働きは正常とされます。更にほとんどの胆汁酸の運搬に異常は認められません。その他、粗大褐色顆粒が肝細胞中に見られ、黒色に肝臓は変色します。

治療法

通常、特に治療を行うことはありません。これは見通しが良好であるためです。その他、エストロゲン製剤の利用は黄疸が高度になるため、控えます。尚、ローター症候群、閉塞性黄疸、慢性肝疾患との識別が必要とされます。