E型急性肝炎

症状

黄疸、そして消化器症状である食欲不振や腹痛、肝腫大などが見られます。また僅かに脾腫大も認められます。症状はA型肝炎のそれに良く似ていますが、特に症状を示さないケースもあります。劇症肝炎は妊婦に多く見られ、A型のそれより発症率は高くなります。ただし、C型肝炎のような慢性化は見られません。潜伏期間は凡そ四十日程度となります。

原因

鹿肉の生食や汚染水などの経口感染がE型急性肝炎(いーがたきゅうせいかんえん)を発症する原因となります。また猪や豚の肝臓などの生食も感染が示唆されています。河川が氾濫する雨季の発症率が高く、中国やインド、ロシア、ネパール、中米、メキシコ、ミャンマーなどで多く見られる疾患です。日本では水道設備が充実しているため、その感染はほとんど見られません。ただし、上記の分布地域に旅行などで感染し、持ち帰ったケース、若しくはこれらの感染者から二次的に感染した場合に日本でも発症します。

治療法

特別な治療方法はなく、通常、臥床して安静を心掛けます。食欲不振が見られるケースでは点滴によって栄養素を補給します。また回復期には高蛋白食にして肝臓の修復を促します。尚、生食を避け、生水を飲用しないことが予防につながります。また海外では野菜の生食を控え、皮を剥いて果物を摂取するようにします。