原発性胆汁性肝硬変

症状

初期段階では皮膚の痒みを生じることがあります。また黄疸が出現することもあり、少ないケースでは消化管出血を最初に示すこともあります。しかし大半は無症候性と言われています。進行に伴って痒みは強くなり、黄疸も顕著に示されます。更に肝不全症状である浮腫や腹水、肝性脳症なども出現してきます。その他、脂肪吸収の障害が見られることもあり、これによって脂溶性ビタミンの吸収阻害が引き起こされることもあります。

原因

免疫の関与が指摘されていますが、原発性胆汁性肝硬変(げんぱつせいたんじゅうせいかんこうへん)の詳細な原因は分かっていません。小葉間胆管において炎症が生じ、これに起因して胆汁の流れが阻害される病態となります。また自己免疫疾患を合併することもあり、関節リウマチなどを見ることもあります。多くは中年以降の女性に見られます。

治療法

肝移植とウルソデオキシコール酸投与の二つに治療方法は大別されます。ウルソデオキシコール酸は胆汁酸薬のことですが、これを早期に投与することで改善が示されることもあります。多くの場合、皮膚の痒みに軽快が見られ、胆道系酵素の低下が認められます。少数例では改善を示さないこともあり、この場合、ベサフィブラートと呼ばれる高脂血症薬の投与で効果が見られることもあります。