鉄芽球性貧血

症状

慢性化した貧血が見られ、悪化すると全身倦怠感や息切れ、脱力感、心悸亢進、顔面蒼白などを出現させます。鉄過剰症の高度な症例では心不全及び糖尿病などを随伴させます。遺伝性と後天性のものがあり、、前者は幼児期以降に多く見られ、後者は中年以降で発症するケースが多くなっています。

原因

異常な鉄沈着を赤血球ミトコンドリア内に呈し、これによって貧血を発生させる疾患をまとめて鉄芽球性貧血(てつがきゅうせいひんけつ)と言います。ヘム合成の障害に起因してミトコンドリア内へ鉄沈着が生じるものと言われています。環状鉄芽球は核の周りに鉄沈着を示すもので、これが骨髄にて増え、無効造血をきたします。結果、貧血が末梢にて招かれます。本疾患は遺伝だけでなく後天的な様々な原因によって引き起こされます。

治療法

ピリドキシンの投与が行われます。これはビタミンB6のことですが、遺伝性鉄芽球性貧血ではHb値に改善が見られます。またデスフェロキサミンなど鉄キレート薬は鉄過剰症が発展するケースにおいて皮下注射若しくは瀉血にて実施されます。ただし、重度の貧血が見られる場合、瀉血は行いません。原発性後天性鉄芽球性貧血においてもビタミンB6に有効性が認められることもあります。発展していく貧血症状に対しては輸血が適用されますが、長期に渡っての経過観察も行われます。尚、二次性鉄芽球貧血はまず原因を取り除くことが重要です、アルコールが原因であれば、それを禁止し、薬剤を原因とするならば、その利用を中止します。