循環抗凝固因子

症状

急激に紫斑や血尿、筋肉内出血、関節内出血を見るケースはⅧ因子抗体が血友病A以外に生じることで引き起こされます。その際、血中Ⅷ因子活性は著明な減少を示します。抗リン脂質抗体症候群においては心筋梗塞、脳梗塞、バッドキアリ症候群、四肢における静脈血栓症などが示されます。

原因

血液凝固を妨害する自己抗体が後天性に生じるケースがあり、これは、ある腫の凝固因子への抗体とリン脂質/蛋白質若しくはリン脂質単体への抗体に分けられます。ある腫の凝固因子への抗体ではⅧ因子への抗体でⅧ因子活性を中性で程よく調和させる作用をします。リン脂質/蛋白質或はリン脂質単体への抗体は血栓症といったものを示す症候群であり、抗カルジオリピン抗体及びループスアンチコアグラントを持ち、SLEといったものと合わせて発症したり、若しくは元となる病気が認められないケースもあります。以上が循環抗凝固因子(じゅんかんこうぎょうこいんし)の概念となります。

治療法

大量Ⅷ因子濃縮製剤、血漿交換、免疫抑制療法などを組み合わせた治療法は、Ⅷ因子抗体を発生させた血友病Aに対し行われます。これによって止血管理を実施することになります。ただし、血液製剤及び輸血といったものは抗体生成に影響を与えるため、軽い出血へは用いられません。抗リン脂質抗体症候群において抗血小板療法が動脈血栓症に適用されます。またワーファリンや低分子ヘパリンといったものは静脈血栓症に用いられます。更に急性期の血栓へはヘパリンなどが適用されます。