慢性リンパ性白血病

症状

血液検査などで偶然発見されるケースがあり、初期段階では特別な症状を示しません。症状が出現した場合、軽い疲労感や全身倦怠感となります。また肺炎や、リンパ節腫脹、食欲不振なども出現することがあり、これらの症状から受診されるケースがあります。更に痛みのない表在リンパ節腫大が鼠径部、腋窩、頸部などに高い確率で認められます。その他、脾腫及び肝腫大、皮疹、そしてリンパ節腫大に起因する腹部腫瘤、腫瘍細胞浸潤由来の扁桃腫大なども見られます。

原因

脾臓やリンパ節、末梢血などにおいて単クローン性に増えた成熟リンパ球が溜まることが慢性リンパ性白血病(まんせいりんぱせいはっけつびょう)の原因となります。多くはB細胞性由来であり、少ないケースでT細胞性も認められます。発病に遺伝性が指摘されていますが、ハッきりとしたことは分かっていません。女性より男性に多く見られ発症年齢は中高年者以降に多く見られます。ただし、日本ではあまり見られない腫瘍性疾患です。

治療法

日本ではシクロホスファミドが利用されてきましたが、現在、リン酸フルダラビンに有効性が認められています。ただし、慢性リンパ性白血病は慢性の経過を辿り、化学療法での治癒は難しいと言われています。そのため、遺伝子療法や免疫療法、そして自己及びアロ造血幹細胞移植などが試験的に実施されています。