肺分画症

症状

肺分画症(はいぶんかくしょう)では。肺葉内型では成人に達する期間の間に呼吸器感染を示すケースが多いとされます。これは気道との僅かなつながりが残っているためです。原因菌には通常の細菌の他、真菌、結核菌、ノカルジアなどが指摘されています。また大量出血が胸腔及び食道において生じた例や喀血、血管音などが見られます。更に高心拍出性心不全を伴うことがあり、これは左左血流短絡に起因するものです。肺葉外型ではチアノーゼ、呼吸困難などを生後半年以内に出現し、肺葉内型より重度と言われおり、高い確率で別の先天性疾患を併発しやすいと言われています。ただし、気道とのつながりが全く存在しないため、感染に晒される可能性はほとんどないと言えます。

原因

先天性に起因する疾患であり、肺において正常組織より分画された一部を指します。その個所へは体循環によって血液供給がなされるため、通常組織の肺循環は行われていません。肺葉内型と肺葉外型があり、前者は正常細胞と同一臓側胸膜に包まれ、後者は自分の胸膜を持っています。現在、血流供給の異常と肺胞及び気道系の発生異常によるものではないかと指摘されていますが、ハッキリとしたことは分かっていません。上記の考え方は胎生期における体循環供給のシステムが適正な肺芽と違う肺芽破片に残ったとするものです。

治療法

血流短絡に起因する心不全では塞栓術を行い障害された血管を治療します。肺分画症では別の先天性に起因する奇形を伴わない場合で、且つ感染の再発が認められないケースでは特に治療は行われません。ただし、再発する感染が認められる本症の場合では手術によって該当部分を摘出します。