症状
局所的な発赤腫脹が生じ、急激に悪化して顕著な全身症状を呈します。四十歳以上の方に見られ、腹部、陰部、四肢、中でも下腿に多く発生します。数日で、陥凹様の壊死、水疱、紫斑、血疱、潰瘍を出現させます。進展に伴って、病巣部の知覚は鈍くなっていきます。また、見た目は異常が認められなくても、皮下組織では病変が悪化していきます。全身症状は高度となり、顕著な筋肉痛や関節痛、多臓器不全、ショック症状を呈します。壊死性筋膜炎(えしせいきんまくえん)に合併する疾患では劇症型溶血性連鎖球菌感染症があり、高確率で見られます。尚、フルニエ壊疽は本疾患を陰部に生じたものを言います。
原因
ペプトストレプトコッカス菌やフラジリス菌、A群β溶血性連鎖球菌などが原因菌となります。A群β溶血性連鎖球菌は健康であっても急激に発生します。嫌気性菌の場合、背景に糖尿病など、元となる病気が認められるケースにおいて見られます。その他、足白癬や小さな外傷に起因するケースもあると指摘されていますが、ハッキリとしたことは分かっていません。
治療法
クリンダマイシンやペニシリン系の抗生物質が多量に用いられます。なるべく早く対処しないと見通しは非常に悪くなります。また、外科的デブリドマンを早期に要します。尚、鑑別を要する疾患ではガス壊疽や蜂窩織炎などがあげられます。また生検及び細菌培養なども確定診断のために必要です。