肺気腫

症状

肺気腫(はいきしゅ)では進行性の呼吸困難や咳、痰、ビール樽胸郭、ばち状指、そして口をすぼめての呼吸などが示されます。またシーソー呼吸やフーバー徴候、チェックバルブ現象なども生じます。

原因

強い抹消細胞壁破壊が終末細気管支破壊と共に発生する疾患であり、小葉中心型肺気腫と汎小葉型肺気腫に分類されます。前者は損傷が肺胞道と終末細器官に見られるもので、後者は均等に肺胞が損傷を受けたものを指します。また前者の多くは上肺野に見られ、後者は下肺野に生じ、両者の発症率は似たようなものになっています。更に小葉中心型肺気腫ではタバコや大気汚染、反復感染などが原因ではないかと指摘されており、汎小葉型肺気腫では加齢やそれに伴う免疫低下、遺伝などが原因と推測されています。ただし、喫煙してても肺気腫を発症しない方などもいるため、ハッキリとしたことは分かっていません。

治療法

タバコを止めるのが進行を遅らせるのに有効とされます。また抗コリン薬やキサンチン誘導体、β刺激薬など気管支拡張薬が閉塞性障害に適用されます。他にも症状に応じて利尿薬や去痰薬などが用いられます。更に在宅酸素療法や腹式呼吸、体位ドレナージといったリハビリテーションも重要です。治療法は主に対処療法であり、その視点も残った機能を高めることに向けられます。これは肺気腫が不可逆性の病変であるからです。