肺胞微石症

症状

肺胞微石症(はいほうびせきしょう)は検診などで見つかるケースが多く、大抵は長期間に渡って特に症状を示しません。また進行に伴って咳や息苦しさを出現させていきます。自覚症状がないにも関わらず胸部X線写真では明らかな陰影像を呈します。急激に進行する症例では続発性肺のう胞破裂や感染症合併によるものが見られます。

原因

沢山の小結石が肺胞内に見られる疾患であり、リン酸カルシウムが主体となっています。常染色体単純劣性遺伝によるものと推測されていますが、その原因はハッキリと分かっていません。稀に見られる疾患ですが、日本では他国と比べると多くなっています。

治療法

酸素吸入療法が呼吸不全を招いた場合に適用されますが、基本的には対処療法が主軸となります。現在のところ根治させる治療方法は存在していません。ただし他国において肺移植を行ったケースが見られます。進行は非常に緩慢で、呼吸不全に起因する死亡例が多いとされます。見通しが良いとは言い切れず、発症年齢も長期的な観点から予後に影響を与えます。尚、瀰漫性粒状影を示す肺疾患は他にもあり、これらとの識別を要します。診断では肺生検が実施され、肺胞微石症では症状がほとんど見られない反面、胸部X線写真で顕著な陰影が認められることが識別の判断材料となります。