嚢胞性線維症

症状

嚢胞性線維症(のうほうせいせんいしょう)。発育障害が見られる場合は、膵臓及び腸管に関する分泌腺の閉塞が考えられます。これは必要な栄養素を十分吸収できないため、消化障害を引き起こすためです。呼吸困難などは、気道閉塞が分泌液によって引き起こされた可能性があります。これは細い気道において粘性の高い分泌液が詰まってしまい、延いては大きな気道においても閉塞を生じ、肺が萎縮することによります。無気肺を引き起こすと更に高度な呼吸困難を示し、肺機能も低下していくことになります。

原因

ある種の分泌腺において、分泌物が異常生成されることによって組織を損傷してしまう病気であり、遺伝に起因します。異常形態も色々あり、分泌腺を完全閉塞したりするものから細菌繁殖を促進させる分泌物を生成するものなどあらゆる形で出現してきます。このため本症は肺だけでなく、体の全組織において影響を与えます。

治療法

体位ドレナージなど呼吸理学療法、そして気管支拡張薬、酸素吸入療法、非ステロイド性抗炎症薬、吸入薬などの薬物療法が考えられます。嚢胞性線維症では気道閉塞と共に感染症を予防することが重要になります。呼吸理学療法は、咳を促進させる治療方法で、振動法や軽打法などもあります。また自分で行えるよう訓練も実施されます。本症では感染症にも気をつける必要があり、もし気道感染症を引き起こした際には、抗生物質の投与で極力早期に治療を試みます。尚、肺が受けた損傷によって見通しも異なるため、患者それぞれで予後も違ってきます。