肺胞蛋白症

症状

胞蛋白症(はいほうたんぱくしょう)では次第に悪化する呼吸困難を示すケースが多く、他には発熱、咳、痰といった症状を随伴させることもあります。重度のケースでは倦怠感、体重減少、ばち状指などが出現します。ただし、症状がこれといって示されないこともあり、こういったケースでは検査などで偶然発見されることが多くなっています。尚、成人においては慢性呼吸不全が重度に悪化することはあまり見られません。

原因

サーファクタントアポ蛋白及びリン脂質が細気管支内と肺胞において蓄積することが原因となります。特発性、先天性、続発性に由来するものがあり、先天性では顆粒球マクロファージコロニー刺激因子受容体β鎖とサーファクタント蛋白の一種の欠如が指摘されています。続発性では毒物などを吸い込んでしまうことで、引継ぎ発症するものがあります。また呼吸器感染症や血液の病気に合併するものがあります。前者ではカリニ肺炎や非定型抗酸菌症などが該当します。ただ、本症ではその多くが抗体が見出される続発性肺胞蛋白症となります。進行は緩慢で、女性より男性の方が多いとされます。また中年以降の男性の発症率が高くなっています。

治療法

先天性に起因する顆粒球マクロファージコロニー刺激因子受容体β鎖(GM-CSF)欠損によるものでは骨髄移植が実施されるケースもあります。原則、先天性及び続発性のものは元となる病気の治療をできる限り行います。また、続発性の肺胞蛋白症に見られる労作時の呼吸困難の悪化に対しては、反復肺区域洗浄に有効性が認められています。これは単球より肺胞マクロファージへの分化が促進されると共に自己抗体も取り除かれるためです。