症状
放射線肺炎(ほうしゃせんはいえん)では発熱、乾いた咳、呼吸困難といった症状が、放射線の照射が終わった後、数週間で示されるようになります。ただ、これといった症状を示されないケースも多々あります。後期には、放射線肺線維症を引き起こします。検査ではLDH高値、CRP陽性、赤沈亢進、賦活量減少などが見られます。照射部と同一の場所に陰影が見られ、スリガラス陰影から徐々に浸潤影に移行していきます。
原因
DNAの損傷と免疫が原因と考えられており、DNAは活性酸素に起因して障害を受けます。これは放射線の照射によって活性酸素が細胞内に増殖するためです。初期段階では瀰漫性肺損傷像を呈し、進行すると線維化による悪化から蜂巣肺を呈するようになります。放射線量の総量が50Gyを超えると発病しやすいと言われています。本症の多くは、胸郭内外とその周辺に発生した悪性腫瘍の放射線治療によって引き起こされます。特に酸素量の多い状況下にある肺は放射線への反応性が高いと言われています。このため微量の放射線に晒されても、肺を形成している細胞は損傷を受けやすくなります。CT画像及び胸部X線写真で確認すると、放射線照射個所と同じ場所に陰影が示されます。
治療法
副腎皮質ステロイドに有効性が認められています。また症状が軽く、肺機能への影響も少ないケースでは対処療法で改善が見られます。