非結核性/非定型抗酸菌症

症状

発熱や痰、それも血が混じっていたり膿状になっています。毒素力が弱いため、通常の細菌感染症に比較すると症状も軽いものとなります。検査では培養によって喀痰が精査され、同じ抗酸菌が見出されれば原因菌と判断されます。尚、非定型抗酸菌症(ひていけいこうさんきんしょう)は非結核性抗酸菌症(ひけっかくせいこうさんきんしょう)とも呼ばれます。

原因

マイコバクテリウムカンサイシ及びマイコバクテリウムアビウム複合体(MAC)と呼ばれる菌が原因となります。これらの菌は自然環境、つまり水や土中などにおいて広く分布しています。多くは肺非定型抗酸菌症となりますが、皮膚や骨、リンパ節に及ぶこともあります。結核菌に比較すると毒素は微弱となりますが、免疫機能低下を引き起こした際に肺へ感染します。これには気管支拡張症やじん肺を患っている老齢者なども該当します。またエイズ患者なども免疫機能低下から感染しやすいと言われています。伝染は人間から人間に対して広がることはありません。多くはMACによるものであり、男女差はありません。発症年齢も六十歳以上となっています。

治療法

肺の一部に限局して発生しているケースでは手術により切除します。MAC感染症に有効とされる薬は存在していません。そのため、病状の悪化を防ぐ目的で抗結核薬などが用いられます。多くは慢性に経過しますが、急激に進行することもあります。また、経口投与が中心であり、注射は長期に渡って不可となります。