神経サルコイドーシス

症状

視神経や顔面神経に支障をきたす症例が多く、これは脳神経障害によるものです。またこれに伴って迷走神経や舌咽神経、聴神経などにも異常が出現します。更に急速に麻痺は出現し、その発症部位は末梢となります。末梢神経系サルコイドーシスでは脱力感、腱反射喪失、神経痛、知覚障害などを生じます。鬱状態や記憶障害、神経症、痴呆、人格障害、せん妄などは脳障害によるものであり、こちらは中枢神経系サルコイドーシスに由来します。発症部位は視床下部、傍脳室、髄膜、下垂体などであり、尿崩症や脳炎、水頭症、髄膜炎といった症状も認められます。

原因

中枢神経系の実質内及び髄膜中においてサルコイドーシスの肉芽腫が発生することもあります。これが圧迫を生じ、ひいては血管の閉塞若しくは血管内を狭めたりすることから脳梗塞を惹起する可能性があります。更に水頭症をきたすこともあり、これは中脳水道閉塞やくも膜下腔における癒着が原因となります。

治療法

副腎皮質ステロイドホルモン薬の投与による治療方法がとられます。また神経病変に起因するものであるからその利用も長期に渡って行われます。尚、神経サルコイドーシス(しんけいさるこいどーしす)において出現した神経症状だけでは診断も困難とされています。そのため、胸部X線像の所見も必要となります。これは両側肺門リンパ節腫脹などの異常が大半の胸部X線像で見られるためです。