チャーグストラウス症候群/アレルギー性肉芽腫性血管炎

症状

チャーグストラウス症候群(ちゃーぐすとらうすしょうこうぐん)では、まずアトピー性鼻炎及びアレルギー性気管支喘息で開始し、次第に肺及び消化管などに病変が出現します。好酸球性胸水や様々な肺野陰影が認められ、末梢血酸球の増加や好酸球浸潤がそれぞれの臓器において見られるようになります。初発は二十代から三十代の若者層で起こり、中年期ぐらいから血管炎を生じるようになります。全身倦怠感、発熱、疲労感、体重減少といった症状を示し出し、臓器は血管炎に障害されていきます。このため心筋、心膜炎、腎炎、皮下結節、紫斑などを引き起こし、出血及び炎症が小腸や大腸、胃に見られます。また多発性神経炎がよく見られるため、手足のしびれや運動障害などを発生させます。尚、チャーグストラウス症候群はアレルギー性肉芽腫性血管炎(あれるぎーせいにくげしゅせいけっかんえん)とも言います。

原因

アレルギー体質を有する方に発症する疾患であり、血管は小動脈及び小静脈を中心に障害されます。肉芽腫が血管周囲に形成され、血管炎にはフィブリノイド壊死が随伴します。また好酸球浸潤が組織において見られます。肉芽腫の形成、好酸球の増加、アレルギー性疾患の合併といったものからアレルギーの影響が指摘されいます。

治療法

副腎皮質ステロイドが投与され、反応性が高く、短期間で改善方向に向かいます。他の血管炎症候群に比較すると見通しも良いとされていますが、再発します。重度の場合にはステロイドの大量投与が行われ、経過を見ながら減らしていきます。ステロイドの効果が少なかったり、血管炎が高度の症状を示すケースでは免疫グロブリン、シクロホスファミド、アザチオプリンなどが併用されます。尚、多発性単神経炎では理学療法が実施されます。