無気肺

症状

無気肺(むきはい)では、咳や呼吸困難、時として胸痛及び発熱などを随伴させます。ただ、本症の程度が狭ければ特にこれといった症状を示しません。尚、熱の上昇や膿性の痰などは閉塞性肺炎を伴った場合に認められ、咳や血痰といった症状を示す場合は肺癌に起因する閉塞のケースとなります。

原因

気管支の閉塞に起因して空気が肺の末梢部に行き渡らなくなり、結果として空気が吸収され肺が縮小してしまう病気です。粘着性、瘢痕性、圧迫性、閉塞性無気肺が代表的で、他にも円形若しくは板状無気肺と言われるものもあります。気管支の閉塞が痰や喀血、異物などによって引き起こされたり、肺癌に起因する閉塞、圧迫を加えるリンパ節腫脹などが原因となります。中でも老齢者においては肺癌に起因する閉塞が非常に多いとされます。

治療法

肺切除による手術などは気管支結核及び悪性腫瘍に対して適用されます。この場合、狭窄を引き起こした個所を取り除くことになります。無気肺が他疾患に起因する場合は、その病気の治療を実施します。また異物、喀血、痰などが閉塞を引き起こしている場合は、それを直ぐに取り除きます。これによって肺は再び膨張し改善されます。本症は肺胞の空気が無くなってしまうことが原因であり、結果として肺が縮んでしまう病気です。尚、診断の際は胸部X線検査が主軸となります。また、胸水貯留、肺梗塞、細気管支肺胞上皮癌、肺炎との識別を要します。