PIE症候群

症状

PIE症候群では発熱、咳、痰、喘鳴、呼吸困難などを示します。またケースによっては食欲不振から体重減少を引き起こすこともあり、様々な症状を示す場合があります。更に症状が示されずに急激に死に至るような重度の症状を初発において生じることもあります。その他、症状の再発が何度も起こると、経過が良くても気管支拡張症及び肺線維症などに進行するケースもあります。

原因

肺浸潤影を示し、末梢血好酸球の増加を随伴させる症候群であり、その原因はハッキリと解明されていません。好酸球性肺炎では末梢血において必ずしも好酸球の増加を随伴させません。しかし肺の病態は好酸球に起因する炎症細胞が肺組織において見られることからPIE症候群と似たようなものになっています。本症では末梢血好酸球の増加と共に肺陰影が見られると疑われることになります。

治療法

大半が原因不明とされているため、ステロイドの投与による治療方法がとられます。ステロイド投与後、出現した症状やX線などを参考にステロイドの利用量を変更します。通常、好酸球増多症で喘息を随伴させたケースや遷延性好酸球増多症などではステロイドが利用されます。ただ、陰影が消えた後改善されますが、繰り返し症状が示されるケースもあります。この場合、寄生虫に起因するものはそれを駆除し、薬に起因するものではその利用を停止します。またステロイドの作用が不足するケースでは免疫抑制薬であるシクロホスファミドやアザチオプリンなどが用いられます。尚、治療を行わなくても単純性好酸球増多症においては自然に改善される場合があります。