症状
進行性核上性麻痺(しんこうせいかくじょうせいまひ)の初期段階では歩行障害や記憶力低下、性格変化、複視などの視力異常を示します。中でも歩行障害が非常に多く、眼球運動障害が先に生じるわけではないとされます。核上性眼球運動障害では垂直方向、中でも下側における眼球運動麻痺が出現します。また眼球頭位反射は維持されるものの眼球運動は制限されることになります。更に皮質下性痴呆から失念、性格変化、知識の操作機能低下などを示し、そのほか嚥下障害、体幹筋固縮、後屈姿勢なども出現します。本症は進行性の核上性眼球運動麻痺、痴呆、仮性球麻痺、項部ジストニアを示す疾患となります。尚、一般検査では特に異常は認められず、CT画像やMR画像などで異常が認められます。
原因
変性疾患であり、大脳基底核、小脳、脳幹において異常を示します。淡蒼球内節、赤核、黒質の変化が顕著であり、他にも視床下核、中脳視蓋、橋被蓋、被蓋、歯状核、青斑核、オリーブ核などに病変が見られます。基底核及び脳幹の一部において損壊が生じますが、その原因はハッキリと解明されていません。
治療法
大きな効果は期待できないもののLドパといったドパミン作動性薬に有効性が認められています。その他、メチセルジドや抗鬱薬といったものも用いられますが、その効果はLドパよりも低いとされます。いずれも僅かにその有効性が認められている程度になっています。現在、有効性が確実に認められる治療方法は存在していないため、パーキンソン病の治療薬が用いられています。