HAM(ハム)

症状

HAM(はむ)では、感覚及び膀胱障害、慢性痙性対麻痺が神経学的症候であり、その発症は緩やかなものとなります。随伴しやすい症状では両下肢における脱力などがあります。また近年の症例では、多発筋炎をはじめ関節障害、ブドウ膜炎、肺胞炎などを随伴するHAMが明確になっています。その他、多くの症例では下肢における反射亢進及び異常な反射が確認されています。少ないケースでは下顎反射の亢進があります。検査では、抗HTLV-I抗体が髄液及び血清に認められることが注目されます。

原因

HAMは成人T細胞白血病ウイルスであるHTLV-Iが原因となって痙性脊髄麻痺である慢性神経疾患を引き起こします。小血管の周り、くも膜、そして実質内に小円形細胞が浸潤していて、アストログリア増生と共に軸索及び髄鞘破壊を随伴しています。小円形細胞はリンパ球を主軸としており、骨髄中部から骨髄下部にかけて病変の拡大が高度になっています。またこの部分において時間のたった像を呈しています。これが更に拡大して腰髄及び頸髄に達し、徐々に新病変を呈していきます。その他、橋底部及び深部白質においても病変が示されている症例も見られます。

治療法

症状を緩和するにはαインターフェロン及び副腎皮質ホルモンであるプレドニゾロンなどが有用とされています。通常、対処療法である抗痙縮薬の投与による治療方法が行われます。