半側顔面痙攣

症状

半側顔面痙攣(はんそくがんめんけいれん)ではれん縮が下眼瞼より開始され、時間の経過に伴って眼の周りから口の周りへとその症状を拡大させていきます。通常は、下眼瞼から始まりますが、中には少ないものの口の周りから発症する症例も存在しています。また左右どちらでも生じるとの報告例や左側に多いとの指摘もありますが、後者では右側の椎骨動脈より左側の方が太いことに起因するものと指摘されています。本症は少し女性に多い疾患と言われており、発症年齢は若者層に多いとされます。また中年以降で多発する例も見られます。普通は片側において発症しますが、時間と共に両側で生じるケースも見られます。更に寝ている最中にも発症することがあり、意識的に抑えることはできません。尚、この症状は過労や睡眠不足、緊張などが引き金になったり、その度合いが強まったりします。

原因

外傷や骨の異常であるパジェット病、聴神経腫、及び後頭蓋窩における腫瘍、動静脈奇形、そして椎骨脳底動脈系における動脈瘤などが原因としてあげられますが、ハッキリ原因の分からない特発性のものもあります。本疾患は不随意にれん縮する顔面筋が片側において生ずる病気です。初期段階では眼瞼の痙攣から始まり、時間と共に顔面神経支配筋に広く達します。その他、ベル麻痺後に見られる後遺症でも生じることがあり、こちらは神経の修復が異常に行われたことによる神経伝達の正常ではない刺激が原因と言われています。

治療法

外科的にはれん縮筋へボツリヌス毒素を注入する方法が一般化されつつありますが、その効果が数ヶ月程度で弱まることから再び同じ治療方法を行うことになります。その他、神経圧迫解放術や熱凝固或いはアルコールブロックなどが知られています。薬物療法では症状の軽いものに適用されており、抗痙縮薬や抗不安薬、抗てんかん薬などが用いられます。