症状
リポイド肺炎(りぽいどはいえん)では検診などで発見される場合が多いことから、ほとんど症状は示されません。症状が出現した症例では、微熱、胸部違和感、胸痛などがあります。ただし、油脂分の吸入が長期に渡って継続されると呼吸困難を示すようになりますが、これは肺線維化が進んだことを意味するものであり重度となります。更に発熱や咳、痰といった症状が見られるケースもあり、これは感染に起因するものとされます。
原因
内因性と外因性に分類されており、前者はコレステロール肺炎とも言われるもので、気道の閉塞が異物若しくは癌などで引き起こされた結果、その末梢部においてコレステロールを貪食したマクロファージが現れるものです。後者は嚥下障害に起因する食物油脂物の継続した誤嚥、油性下剤の服用、油性点鼻薬の利用などが原因となります。本疾患は脂質が病巣部において認められる肺炎となります。不飽和脂肪酸を多く含有するものを吸い込むと壊死性若しくは出血性肺炎を呈します。これには動物性の脂肪が該当し、一方植物油の吸入では異物反応で終わります。
治療法
通常、見通しは良いとされていますが、肺性心へと移行するケースも見られます。治療は混合感染への対処が主軸となり、同時に本疾患の原因を取り除くことが重要になります。診断は肺生検を実施し、また脂肪を貪食したマクロファージが気管支肺胞洗浄液内に見られることなどが判断基準となります。