症状
呼吸不全(こきゅうふぜん)。低酸素血症では乏尿、チアノーゼ、頻呼吸、呼吸困難などが一定基準を満たすと出現します。また記憶障害、見当識、計算力低下、意識消失、視野若しくは色覚障害、夜間視力低下なども同様に出現します。その他、心臓及び脳への血流増加、肺高血圧、心拍出量や赤血球の増加なども見られます。高炭酸ガス血症では振戦、頭痛、うっ血乳頭などが挙げられます。また脳圧亢進、脳血流増加、脳浮腫、アシドーシスに起因する意識障害なども出現することがあります。その他、血圧上昇、心拍出量増加などが示されることもあります。
原因
細胞はミトコンドリア内でATPをを産生していますが、その際に二酸化炭素も代謝産物として作り出されます。これを内呼吸と言います。一方、外呼吸は肺においてのガス交換を言い、つまり酸素を取り込んで、二酸化炭素を排出することを指します。呼吸不全は外呼吸の障害から内呼吸が適正に実施されない状態を言います。低酸素血症及び高炭酸ガス血症の原因としては肺胞低換気、拡散障害、右左シャント、換気または血流ミスマッチなどが該当します。
治療法
急性期には元となる病気の治療と共に、それを誘発した原因を除去する治療方法がとられます。慢性の呼吸不全を改善できない場合は、残存する肺の機能に依存するため、不足なく機能できるように薬物療法及び理学療法が行われます。また在宅酸素療法が、低酸素血症の継続するケースにおいて適用されます。