日本脳炎

症状

日本脳炎(にほんのうえん)では倦怠感から発熱及び頭痛に続発して痙攣や意識障害などを示します。錐体外路症状である振戦及び固縮といったものが大脳基底核や大脳皮質、黒質、そして視床などにおいて多々出現します。更に項部硬直など髄膜刺激症候なども示されます。検査では髄液圧上昇と共に蛋白と単球及びリンパ球細胞増加が見られる他、異常信号もしくは低吸収域が大脳基底核をはじめとする脳幹及び視床などにおいても示されます。本症では死に至るケースもあり、生存してもパーキンソンニズムや人格変化などの後遺症が残存することもあります。

原因

コガタアカイエカを介して日本脳炎ウイルスは広がります。そのため、該当する蚊が発生する夏頃に発症率が高くなります。日本では年間を通して数件程度しか見られず、ワクチンの開発と共に激減しています。成人や高齢者の発症率が高くなっていますが、海外では小児に発症する傾向にあります。その他、フラビウイルスは日本脳炎ウイルスと同属のものであり、これらはロシア春夏脳炎、セントルイス脳炎、ヨーロッパ脳炎などと地名由来の名称で呼ばれています。

治療法

広域抗生物質の投与による治療方法がとられますが、これは二次感染を防ぐ目的で利用されます。また副腎皮質ステロイド薬や抗痙攣薬なども症状に合わせて利用されます。日本脳炎では全身管理が大切であり、適切な栄養補給と気道確保に視点が置かれます。