フェニルケトン尿症

症状

フェニルケトン尿症(ふぇにるけとんにょうしょう)では赤みがかった髪の毛と白い皮膚が特徴であり、発達の遅滞を生後凡そ六ヶ月以前から示します。笑わなかったり、痙攣を引き起こしたりもします。

原因

先天性に起因するアミノ酸代謝異常が原因であり、アミノ酸の一種であるフェニールアラニンが体内に蓄積していきます。これはフェニルアラニンが分解されないことを示しており、脳障害を惹起します。本症は新生児期においては特に異常を示しません。大抵生後数ヶ月頃から特有の症状を示すようになります。また妊娠中においてフェニルアラニン値の高い母体では、生まれてくる子供に精神発達の遅れの他、てんかんや心奇形などを引き起こすことが指摘されています。

治療法

放置すると高度の知能障害が更に進んでいきます。ミルクにフェニルアラニン含有量の少ないものがあり、これを用います。食事も低フェニールアラニン食とします。ただし、この成分は必須アミノ酸であるため微量には必要とされています。そのため、摂取量の制限も厳格に行うことになります。本症は根治できないため、一生に渡っての治療が必要となりますが、適切な治療方法を行うことで体内への蓄積を防ぎ、延いては知能発達の遅滞も示されないようになります。尚、本症の治療は症状が出現してからでは遅いため、誕生数日後には血中フェニルアラニン濃度が測定されます。