シャイドレーガー症候群

症状

シャイドレーガー症候群(しゃいどれーがーしょうこうぐん)では言動障害や歩行困難、筋肉硬直、振戦といった症状を示し、パーキンソン病と同じく進行性の疾患となります。本症は自律神経系の機能不全も惹起するため、ホルモン分泌、腸、膀胱、血圧、体温、心拍数、眼の焦点をコントロールする機能なども障害されることになります。また起立の際に伴って起こる急な血圧低下による起立性低血圧も現します。このため、眩暈や失神といった現象も起こります。更に失禁、便秘、視力低下、排尿困難、そして唾液や涙、汗といった分泌物も低下します。

原因

詳細はハッキリと解明されていませんが、脳において自律神経系をコントロールする一部に変性が生じることが原因と言われています。基底核、小脳、脊髄における運動神経細胞などが該当し、多くは男性に見られる疾患です。本症は多系統萎縮症の一つであり、幾つかの疾患を伴って発病します。そのため、同時にいくつかの機能が障害され、様々な症状を出現させます。

治療法

自律神経系の機能不全から引き起こされる血圧の急激な変動に対してはフルドロコルチゾンなどが適用されます。また水分を十分補給し、摂取する塩分も増加させます。起立性低血圧にはミドドリンが適用されます。シャイドレーガー症候群においてはパーキンソン病などで使用される薬に有効性は認められていません。本症は発病すると数年経過後に死に至るため、根治させる治療方法は現在のところ存在していません。