亜急性硬化性全脳炎

症状

亜急性硬化性全脳炎(あきゅうせいこうかせいぜんのうえん)の初期段階では集中力低下、自閉、言語後退、傾眠、健忘、学力低下、行動異常、知能低下といった精神知能障害を示します。悪化すると強調運動障害、アテトーシス、ミオクローヌス、痙攣、舞踏病といった症状を示します。更に進行すると刺激に対して反応がなくなり、除脳硬直、伸筋緊張亢進、不規則呼吸などが見られるようになります。最終的には音に敏感に反応したり、異常な笑い、叫び、四肢屈曲、眼球運動異常、筋緊張低下などを出現させます。本症では発熱及び頭痛を生じることはありませんが、髄炎となります。またミオクローヌスは亜急性硬化性全脳炎を疑う症状と言われています。

原因

麻疹ウイルスの潜伏感染が脳に起こり、これが突然変異することが指摘されています。多くは二歳前後までに麻疹に罹り、その後発病するに至ります。現在日本での発病はほとんどなく、これはワクチンが開発されたことに由来します。グリア系細胞及び神経細胞にウイルス感染が起こり、神経細胞の壊死或はその変性などが見られます。

治療法

最終的には死に至る疾患であるため、根治させる治療方法はありません。そのため、延命させるための治療法が中心となります。診断では周期性同期性放電、脳萎縮、髄液における麻疹抗体価の上昇、そして進行性の痴呆症を随伴するミオクローヌスの症状が見られれば確定されます。尚、白質ジストロフィやリピドーシズなどの識別が必要とされます。